ニュースリリース
2023年08月18日 掲載
光触媒は、太陽光エネルギーを利用して水を水素と酸素に分解することができます。本手法を用いた水の分解反応によって製造される水素は、再生可能エネルギーである太陽光を利用した「グリーン水素」であり、次世代クリーンエネルギーとして期待されています。安価なグリーン水素製造のためには、光触媒の太陽光−水素変換効率(STH)の向上が課題になります。従来、水分解光触媒でSTH10%を超えるのは困難と考えられていました。
宮崎大学は、人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)、東京大学、産業技術総合研究所、信州大学との共同研究により、太陽光を利用して水を高い効率で分解して酸素を生成できる赤色透明な光電極の開発に成功しました。ナノロッド状の窒化タンタル光電極には、赤色透明という特徴があります。今回開発の窒化タンタル光電極と水素生成用電極を接続した二直列CuInSe2太陽電池を組み合わることで、二段型の水分解用タンデムセルを構築し、世界トップレベルの太陽光-水素変換効率(STH)10%を達成しました。テニュアトラック推進室の東智弘助教が、掲載論文の共著者に名を連ねています!
△ 開発した赤色透明なナノロッド状の窒化タンタル(Ta3N5-NR)光電極(a)と水分解用のタンデム型セル(b)
今後は、本研究で得られた科学的知見を基に、より安価に水素製造が可能となる粉末型光触媒シートの太陽光-水素変換効率の向上および光触媒を用いた水素製造技術の社会実装を目指します。本研究成果は、2023年8月15日(火)(米国東部標準時)に「Advanced Energy Materials」のオンライン速報版で公開されました。
▽詳細はこちらから▽・プレスリリース 2023/8/18 https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20230818_01_press.pdf・研究者データベース 東 智弘 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100002502_ja.html テニュアトラック推進室 https://www.miyazaki-u.ac.jp/ttkikou/【原論文情報】掲載誌:「Advanced Energy Materials」論文タイトル:Tantalum Nitride-Enabled Solar Water Splitting with Efficiency Above 10%URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aenm.202301327
PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerは Adobe Readerのダウンロードページよりダウンロードできます。
PAGE TOP