ニュースリリース
2023年07月21日 掲載
令和5年7月18日(火)、宮崎大学は、株式会社デンサン、JA宮崎経済連、宮崎県と「牛個体識別AI×防疫対策プロセス 牛個体識別AIを起点とする飼養衛生管理と防疫対策のDX化」をテーマとした4者による研究開発コンソーシアムを形成したことを記者会見し、多数の報道関係の皆様にお越しいただきました。
△ 事業概要を説明する関口准教授
本研究は、生物系特定産業技術研究支援センターが実施する令和4年度補正予算及び令和5年度当初予算「戦略的スマート農業技術の開発・改良」事業に採択されたもので、AIによる牛の顔認証により個体識別を可能とし、その技術を家畜防疫や飼養衛生管理といった畜産現場における重要課題の解決に向けて応用していくものです。
△ 牛個体識別アプリなどの説明をする椋木教授
記者会見では、宮崎大学関係者以外にも、研究開発コンソーシアムの構成員である株式会社デンサン代表取締役社長の興梠公司氏、宮崎県農業経済協同組合連合会代表理事会長の坂下栄次氏、宮崎県農政水産部長の久保昌広氏など、4機関から約30名が出席。まず、研究代表者である関口敏准教授(農学部獣医学科)が、近隣諸国において口蹄疫等の重大な家畜伝染病の発生が続き、海外の感染症の我が国への侵入リスクも高まっている現状と、口蹄疫を経験した宮崎県から防疫先進県として取り組んでいくことの意義など、今回のプロジェクト開始に至った背景と、研究開発コンソーシアムにおいて取り組む家畜防疫と飼養衛生管理対策のDX化について説明を行いました。
△ 牛個体識別アプリのデモを行う様子
続いて、椋木雅之教授(工学部工学科情報通信工学プログラム)が、実際に「牛個体識別AIアプリ」を用いたデモンストレーションを行い、使い方などを説明。牛の個体識別は依然として目視による耳標番号の確認が主流であり、高齢化する畜産農家には大きな負担となっているが、AIによる顔認証技術が実用化されれば、家畜防疫や飼養衛生管理対策に大きく貢献し、今後の畜産業における生産のあり方を大きく変える可能性があることを説明しました。
宮崎大学では、2007年度に設置した農学工学総合研究科博士後期課程をはじめ、日本で初めてとなる医学と獣医学が融合した医学獣医学総合研究科(博士課程)を設置するなど、他大学に先駆けて異分野融合型の研究体制の土台を築いており、今後も県や市町村、企業や農業団体などとも連携しながら、地域の産業振興に役立つ研究を進めてまいります。
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